最近の調査では国内の高血圧患者は約2800万人弱に上り、国民全体の約2割を占め、年齢が高くなるほど患者の発生割合高くなる傾向がみられ80歳以上では約70%弱が該当したことが報告されています。そのうち約90%の患者が治療薬を処方されています。
高血圧とは血圧がある程度の範囲を超えて高く維持されている状態です。診察室で測定した場合は140/90mmHg以上、家庭血圧は135/85mmHg以上が目安です。もっとも、血圧は刻一刻と変化しています。朝、緊張している時やストレスがかかっている時には血圧が上がりますし、夜リラックスしている時には低めになります。一度血圧を測って高かったとしても、すぐに問題だとは言いきれません。しかし、血圧がいつも高い状態が継続しているときは高血圧症だと考えられますので、血圧を下げるための治療が必要となります。
高血圧症のうち、大部分は本態性高血圧症が占め、発症には高血圧症になりやすい体質や、遺伝的要因、塩分過剰摂取や肥満、運動不足、喫煙などの生活習慣によるもの、加齢やストレスなど環境要因に起因するなど、はっきりした原因が特定できない場合に診断されるものと、二次性高血圧症とよばれ内分泌性高血圧症の一つで原発性アルドステロン症が約10%、他に褐色細胞腫やクッシング症候群など副腎疾患などや腎血管疾患、睡眠時無呼吸症候群、薬剤誘発性高血圧症があります
放置していると
血圧がよほど高くならないと症状を自覚することはほぼありません。症状が現れなくても常に血管に圧力が加わって全身の臓器に影響を及ぼす原因となります。血液を高い圧力で送り出している心臓がたくさんのエネルギーを必要とし、疲弊しやすくなります。血管や心臓などの臓器に障害が及んだ結果、心不全や狭心症、心筋梗塞といった心臓血管系の病気を招いたり、脳卒中(脳梗塞や脳出血)、腎不全、眼底出血などの原因になったりします。このような事態を引き起こさないためにも、日々の血圧測定や健康診断などを通じて早期に発見し、早めに対策を打つことが大切です。
高血圧の治療
原因によって治療法は異なりますが、主に降圧薬を用いた薬物療法を取り入れそれだけでなく、生活習慣の見直しも大切となります。食事では、1日当たりの塩分摂取量を6g未満にしましょう。さらに、肥満の方は、適度な有酸素運動を継続的に行い、適正な体重に近づけることも有効です。降圧薬が始まれば指示通りにしっかりと飲むことが大切です。一度薬を飲み始めたら、一生やめられないと思っている方が少なくないようですが、高血圧が改善してくれば、薬の量を減らしたり、やめたりすることも可能です。