血圧が高めの方の食事について

現在日本では、血圧140/90mmHg以上で高血圧と定義されています。

40~74歳で男性の6割、女性の4割が、75歳以上では男女ともに7割以上の人が高血圧またはその服薬治療中であると調査結果(2016年国民健康・栄養調査)があるくらいに身近な疾患となっています。

血圧が高い状態が続くことで血管や心臓、腎臓などに負担がかかり将来的な疾患のリスクが高くなります。そのため、食事などの生活習慣でのコントロールが大切です。

血圧と関連の深い条件

●肥満

肥満の方は、肥満でない方と比べて約2倍高血圧のリスクが高いという研究結果もあり、食事からのエネルギーを調整することで減量ができれば血圧の低下も期待できます。血圧が高く、肥満気味の方はまず減量を目標にしてみましょう。

●塩分(ナトリウム)

血圧といえば塩分。とイメージをお持ちの方は多いかと思います。目に見える醤油や食塩などの塩分は自分で把握しやすく調整もできるかと思うのですが、加工食品をよく食べる方はそこに含まれているナトリウムにも注意が必要です。ナトリウムは血管内に水分を引き寄せる働きがあり、血管内に水分が増えると流れる力も必要となり結果的に血圧が上昇します。

塩分(ナトリウム)の多い食品の例

魚の塩蔵品(たらこ、かずのこ等)、干物、練り物(かまぼこ、ちくわ等)、肉の加工品(ハム、ベーコン、焼き豚、ウィンナー等)、ソースやドレッシング、カレーなどのルウ、スナック菓子など

●カリウム

カリウムはナトリウムと反対の働きで、血管内の水分を引き寄せて血管の外に出してくれるため、高血圧改善のためにも有効とされています。野菜や海藻類、果物などにカリウムは豊富に含まれています。果物は糖分も多くなるため摂りすぎには注意しましょう。

●アルコール

習慣的な飲酒量が多くなればなるほど血圧が上がりやすく、高血圧のリスクも高まります。高血圧の方は、エタノールで男性20~30mL/日以下、女性10~20mL/日以下が目安と推奨されています。

男性の場合:日本酒で1合、ビールで中瓶1本、焼酎で半合弱、ウィスキーでダブル1杯、ワインで2杯弱

女性は男性の半分量がおおよその目安です。

塩分の工夫の仕方について

お食事での塩分の工夫についてお伝えします。汁物の場合、お味噌汁は具沢山の汁少なめにしたり、麺類のお汁は残すようにしましょう。間食はスナック菓子を辞め、果物にかえると食塩を減らしカリウムを摂取できます。(果物は食べ過ぎに注意)

また、ドレッシングをよく使用する方は代わりにレモン汁やスパイス、大葉などの香味野菜を活用することもおすすめです。塩分量も減らせて、油も減らせるので減量に成功して肥満解消からの高血圧改善につながる場合もあります。

定期的に血圧の確認をしましょう

血圧について生活習慣の改善はもちろん大切ですが、日々の測定と確認も重要です。「血圧をずっと測っていたけれど、問題ないから辞めました」といったお話をよくお聞きします。しかし、血圧は目に見えないため、測定したときに異常に高くなってしまっていたら、いつからどのくらい高かったのかも分からず、見えない状態で心臓や血管、腎臓などの病気のリスクが上がっているかもしれません。可能であれば、確認のための測定は無理のない範囲で継続しましょう。

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当クリニックの栄養相談は一人ひとりに応じた療養のために、食生活を細やかにお聞きし、

生活習慣に合ったわかり易い提案を心掛けておりますので、ぜひご相談ください。

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