高齢者ほど塩分摂取量が増えやすい?味覚の変化と血圧への影響
日本では生活習慣病患者さんが年々増えており、その中でも高血圧の患者さんは3人に一人の割合といわれています。高血圧は放っておくと心疾患や脳卒中の危険性が高まります。高血圧の方にとって、通院や服薬、お食事、とくに塩分管理が大切です。そして、高齢者ほどこの塩分摂取量が増えやすいといわれているのですが、その原因や対策について今回はお伝えします。
高齢者ほど塩分摂取量が増えやすい原因は?
高齢者ほど味の濃い食事になりやすいといわれます。加齢により舌で味を感知する「味蕾(みらい)」というものが減る傾向があります。
唾液が出にくくなったり、薬の影響やストレスなどでも味を感じにくくなることがあります。
また、食べる量が減ったり栄養が偏ることで「味蕾(みらい)」を作るための栄養素の亜鉛不足になることも原因の一つです。
食事での対策方法
★亜鉛を積極的に摂りましょう
味覚に関与する栄養素である亜鉛をしっかりと摂ることで、「味蕾(みらい)」の減少による味覚低下を予防できます。亜鉛を豊富に含む食品を積極的に取り入れましょう。
亜鉛を豊富に含む食品…牡蠣、チーズ、ナッツ類、納豆、卵、牛肉など
★マメな水分補給を欠かさない
唾液がでにくく口の中が渇いてくると味を感じにくくなるため、水分補給を豆に行い、食事ではスープなどの汁ものを1品入れるようにしましょう。
★味が物足りない時の工夫
食事でどうしても味が物足りない場合、しょうゆや塩をかけすぎてしまうと、食事からのナトリウム量が増えることで血圧が高くなりやすいです。
食塩が含まれる調味料の代わりにおすすめなのが香辛料や香味野菜などです。
ブラックペッパーや唐辛子はピリッとした辛さを出してくれますし、大葉やみょうが、ネギなども香りから満足感を与えてくれます。レモン果汁や酢などを使用して酸味を活かすのもよいですね。
市販のだし調味料にも意外としょうゆや塩分が沢山入っているので、一度購入前に成分表示を確認してみてください。
高齢者に限らず日頃から意識しましょう
今回は特に高齢の方に向けてお話ししましたが、年齢にかかわらず外食慣れした若者にも味覚異常を起こしている方は少なくないです。気を付けるポイントは共通していますので、日頃のお食事管理に活用してみてください。